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だから私は思わず
「……喜んで」
そう答えた。
これってプロポーズ?なのかな?疑問に思いながら首をひねっていると領さんがもう一度私をぎゅっと抱きしめてきて顔を肩に乗せてきた。
「やったー!もう式場とか候補を決めてあるんだ次の休みに見に行こうよ」
「え……?は……い?」
「大手事務所から引き抜いてここに来てもらった時から決めてたからね、橘さん、あなたにここに来てもらった一番の理由は……」
「はい」
「あなたのお婿さんにしてもらうためだって言ったらどうする?」
「ど、どうしましょうか?」
答えに困っていると領さんがまたまたウィンクをしてからにっこりと唇を引き上げて笑った。
そして頬をぎゅっと両側から挟まれた。
「むぐ……」
「幸せにしてくださいね」
そんな乙女みたいな事を言うキラキラとした切れ長の目に吸い込まれそうになる。
何だか変わったプロポーズ?だけれど幸せだし、まぁいっかぁとまたまた口からどこかの居酒屋さんみたいな台詞が言葉から出た。
「……喜んで」
その返事に満足したのか、領さんが耳に触れたあと、顎を掴んできた。長い指の感覚に
「好きだよ、可愛い橘さん」
「ん……」
そのまま唇が降りてきてゆっくりと重なったから返せなかったけれど
私も好きですよ。
幸せにしてあげますからね、領さん。
心の中で話しかけた
fin
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