『 I love only you. 』by.ayaka

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『 I love only you. 』by.ayaka

【かわりのことば 『この言葉を忘れるなよ』】 窓に触れると、指先から凍っていくように冷たい。視線を外に向ければ、今年初めての雪がチラついている。 舞い降りる清涼な雪は、あいつの純真さを思い出させた。 そんな柄でもないことを考えて、息を吐く。 「せーんせっ! 雪、綺麗だね!」 今しがた目を奪われていた雪を指さして、お前はいつもと変わらない笑顔で言う。 「お前よりは綺麗なんじゃない?」 「ひどい! ね、先生」 「何?」 「好きだよ」 「ばーか」 俺の返事に一瞬笑顔をひきつらせたが、またすぐに笑顔に変わる。 「……冗談だよ」 その言葉は嘘だと知ってる。 何度も言われた言葉。言われる度にあしらってきたが、お前の目が真剣なことも、想いが真っ直ぐであることにも気付いてる。 だけど、俺は教師で、お前は生徒なんだよ。 「なぁ、問題」 「え?」 俯くのを堪えたお前の様子に、胸が痛む。俺は黒板にチョークを走らせた。 靉靆 「何、この字」 「宿題。卒業式の日、読み方を教えてやる」 「めんどくさい!」 「いいから。絶対にこの言葉を忘れるなよ」 ぶつくさ言いながら、席へと戻っていく後ろ姿を見つめる。 『(靉靆)あいたい』 お前が卒業した時、今は言えない想いを伝えたい。 本当はとっくの昔に返事は出ているんだ。 〈お前だけを愛してる〉 by.小鳥遊絢香様 https://estar.jp/users/119809936
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