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我が国では、2022年より様々な法律が改定された。
特に改定されたのが、資格についての法律であり、そのうちの一つが、【ペット資格】である。
それまでペットを飼うことは個人のモラルだけで自由とされていたものが、2022年を境に大幅に改変された。その内容は
○すべての日本国民は、ペットを飼う際にはペット資格が必要である。
○ペット資格の条件は、成人であること。
○一定の収入があり、飼育環境が望ましい者だけがペットを飼育する権利を得る。
○資格を有していても、飼育条件を満たさなくなった者は、即時資格を返上すること。
○未成年者はいかなる理由があっても、ペットを保有する資格を得ることはできない。
○許可なくペットを保有したものは、発覚時点で即逮捕されることとなる。
簡潔に説明すると、上記の通りである。
2030年現在、ペット資格を持つ者も増えており、受験者数も年間10万人と軒並み増加している。
「あなた、行ってらっしゃい。がんばってきてね♪」
そう言って、笑顔で見送る杏樹を振り返りながら、裕介はペット資格認定試験の会場へと思いを馳せた。
《どんな試験なんだろうなぁ。どれくらい動物好きかを口頭でアピールすればいいのかな?だったら、俺は自信がある。獣医になりたかったくらい、動物が好きだから。けど、筆記試験だったらどうしよう…》
ペット資格の取り方については、実際に【ペット資格認定試験】を受けた者にしか分からない。
なので、家長である兎束裕介も、ペット資格認定試験会場に来るまで、どのような試験が行われるか全く分からなかったのだ。
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