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《何も、そんなに怒らなくても…》
列に並ぶこと10分。ついに裕介の番がやってきた。
「兎束 裕介さん。どうぞ中にお入りください」
声に導かれるまま、真っ白な扉を開けると、室内も真っ白であった。
16畳ほどの部屋の中央に椅子が1つあり、奥にはモニターが1つ。たったそれだけである。
「椅子にご着席ください」
言われるまま着席すると、なぜだか裕介の瞼が重くなってくる。緊張の糸が解けたのだろうか、裕介は試験会場で、あろうことか眠くなってきてしまった。
そして、次に目を開けた瞬間には—————
すべての試験が終わっていた。
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