電球が切れたなら

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 ふらふらとした足取りの私は彼の腕に絡みついた。わざわざ高いヒールのサンダルで来たのもこれをするためだ。彼は嫌な顔はせず腕を貸し、私のマンションまで運んでくれた。  鍵を開け中に入る。サンダルのアンクルストラップを外そうと玄関にしゃがみこむ。膝下だけれどスカートを履いているので、この体勢だと彼からはスカートの中が見える。視線を感じてからわざとらしくスカートを股に挟んでパンツを隠す。サンダルをぬぐと彼を家の中に招いた。  ソファーに腰を下ろして彼を隣に座らせると、そこからは早かった。  キスをされてあっという間に服を脱がされた。彼が「入れたい」と言ったので、寝室に移動しベッドサイドチェストの引き出しにいれておいたコンドームをつけてあげた。  準備万端の私に引かれてしまうかと心配だったけれど何も言わないでいてくれた。  そして、行為が終わると彼を家に帰したくなかったので手を繋いだままベッドで眠った。  それが初めての夜だった。 「先輩、彼氏出来ました?」  翌日、バイトの子から指摘された。  何も変わっていないつもりだったけれど、若い子の五感というのはとても敏感みたいだ。 「なんか、匂いが違います」  くんくん、と自分の匂いを嗅いでみる。けれど、別に変わった匂いはしない。 「変な匂いする?」  昨晩、若い男の子に抱かれただけで匂いが変わるものなのだろうか。     
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