電球が切れたなら

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 あっという間にご飯を食べ終わると、私たちはソファーに移動する。それが私からの合図でもある。ソファーで触れ合い、キスをされ服を脱がされる。そして、ベッドに移動する。  激しく私を求めてくれると生きている喜びを感じる。そして果てる寸前の彼の切ない顔が愛おしくなり強く抱きしめると「ねぇ、中にだしていい?」と、耳元で囁かれた。驚いたけれど、顔に出さないよう冷静に言う。 「子供ができたら困るのは自分でしょう?」  私の言葉は聞こえたはずだけれど、彼は引き抜きコンドームを外すと、私の中に戻してそのまま果てた。そして、彼は何も言わず倒れこむように眠りに落ちた。私も彼の満足そうな寝顔を見ているうちに、いつのまにか眠ってしまっていた。  ふと、目がさめるとまだ夜中の三時で、今までのことは夢だったのではないかと不安になり、横を確認すると彼は私の隣で可愛らしい寝顔をしながらスヤスヤと眠っていた。  眠っている彼をみるとある種の母性のようなものが湧き出てくる。彼女になりたいというより、お母さんになりたいと思っているのかもしれない。もしかして、これが自分の求めた幸せなのだろうか。こんな時間に起きてしまったので頭が良く回っていない。何を考えてもおかしな思考になりそうな気がしたので、考えることをやめた。     
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