新世界

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「暗闇のなか見つけた小さな光は 僕の未来を明るく照らす~♪」 歌を歌いながら王国に向けて森のなかを歩いていく。 肩には神様が宿っていた毛玉ことふわりんが乗っていた。 王国へ行くことは決まったのだが、行き方がわからなかった為、とりあえずファンタジー小説あるあるのひとつである〔転生し、森をさ迷っていたら悲鳴が聞こえ、助ける〕というもので王国に辿り着こうとしているわけなのだが………。 「もう、5日になるよ………」 そう、あの大きな木から移動し初めて早5日になっていた。 身体能力が前と比べて比較にならないくらい、よくなっているので、ご飯を食べるときと寝るとき以外は歩きっぱなしなのだ。 いくら疲れづらいといっても、5日はさすがに疲れるというもの。ふわりんも心配そうにキューと鳴いていた。 「もしかしたら、別王道ルートかもしれない」 そう考えたのもこれだけ経っても発展がないともうないのでは……と思ったからである。 ファンタジー小説あるある2として、〔人類最強に助けられる〕というものがある。しかしこれは、魔盲等と呼ばれる何らかの理由で魔法が使えない、魔力がないなど、とりあえず貴族のなかでゴミ扱いされてきた人たちが遭遇するタイプなのであるが………。 「どんな出来事にも想定外というものは付き物だしね……」 そう呟いた瞬間、近くの草むらが揺いだ。 これは後からわかったことなのだが、無意識で垂れ流していた魔力のせいで、どれだけ強い魔物がいても寄ってこなかったらしい。 それはおいといて、今はこの気配の方が優先される。封印?を解かれた体で気配に反応しなかった=手練れと言うことなのだ。 大体、日本にいるときなんて自分に関係ない範囲でしか犯罪って起きなかったこともあり、ビビリが入っている。 自分に直接関係した犯罪って言うと、殺されることとなった通り魔ぐらいかと思う。
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