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『キュキュー!』
「ふわりん?」
ふわりんが鳴くと、男性の身体が薄い黄色の光に包まれた。
「マジか……」
思わずそう声が出てしまったが、仕方のないことだと思う。
ふわりんが出した謎の光に包まれた男性の傷口がみるみるうちに治っていったのだ。
絶対これは、回復魔法だろう。
まさかふわりんが回復魔法を使えるとは思っていなかったので、使ったときは驚いたが、そういえば神様がプレゼントした生き物だし、あり得る…と思ってしまう。
「くっ…」
「ねえ、大丈夫?」
目を覚ましたので声をかけると、辺りをキョロキョロと見渡した。
「ここは?それに、俺の傷はどうなった」
そう言いながら鋭い眼光で睨み付けてくる。
「オレはここがどこだか知らないけど、傷はふわりんが治したよ」
と、肩に乗っているふわりんを指差しながら言った。
「お前の使い魔か?」
「まあ、そうだね」
「お前は…冒険者か?」
「違う。道に迷ってるだけだよ。5日間」
「は?道に?」
男性の問いに答えていると、そんなことを言われた。
「道に──っても、ここは3日あれば抜けられる森だぞ?」
「嘘だ!」
びっくりして言い返すと、突然笑いだした男性。
何か面白かったのかは知らないが、笑いが収まるまで待っておこう。
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