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黒髪紫目の少年は薄暗い月明かりのなか、住宅
街を歩いていた。
右手は可愛らしいうさぎのストラップが付いたスマホを、左手は大量に買い物をしたのかやや大きめなエコバックを握っている。
よく見てみると、可愛らしい顔立ちをしており、猫目で髪のところどころがはねている。
やや女性のショートヘヤーに近いであろう長さの髪の右サイドはヘアピンで留められており、より一層、愛嬌のある顔へとさせていた。
「~♪」
少年は自分が好きな歌を首から下げていたヘッドホンから流すと、耳にあてる。
その時だった。
背中に衝撃があったかと思うと、熱くなっていく。
手でその場所を触ってみると、生温い液体が手に付いた。
血だ───。
そう認識する前に意識は遠退いていった。
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