王都にて魔法を習う

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「ではそろそろ、訓練を始めましょうか」 「わかった!あねりん」 ちなみにあねりんとは、姉鷺さんの希望によって呼ばせていただいている名前である。 この名前にしたのはオレだけどね。 「とりあえずこの部屋を50周しましょう」 「………へ?」 「聞こえてなかったんですか?この部屋を50周です。全力で走って下さいね」 「ち、ちょっと待ってよ。あねりん!いきなり50周は……。それに、さっきまでオレ、魔法使ってて、体力が無いんだけど………」 「王道ファンタジーものでは、魔力が尽きたところで走り込みをさせるでしょう。それと同じよ!」 あねりんのこの言葉に妙に納得しつつ、オレは走り込みを始めた。 「お疲れ様。頑張ったわね」 「ハァ、ハァ」 全身汗だくで、床に大の字になって転がるオレ。 そんなオレにあねりんは、魔法で水をかけてくれた。 「ブハァ!?」 ………滝のように。 「馬鹿じゃないの、蒼。それで生き残れると思ってるのかしら。そんなにこの世界は甘くないのよ」 右手を横に振ると、何もなかったところに和室を作ったあねりんは、オレとあねりんの分の座布団を作り、オレを呼び寄せる。 「さ、早くいらっしゃい」 オレは水属性で体についている水分を手のひらの上に水球になるように集めると、握り潰し、手のひらから水球を消した。
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