転生

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「じゃあ、輪廻転生はどういうことになるんだ………?」 たしか、現代には『輪廻転生』と呼ばれる言葉がある。 意味は、死んであの世に還った霊魂(魂)が、この世に何度も生まれ変わってくること………だったはずだ。 それと相反することになるんじゃないのか? 「それは大丈夫だ。基本に魂は一から作られる訳ではないからな。君が特別なだけだ」 「え………。オレが特別?」 特別ということはオレに宿っている魂は一から作られたということになる。 しかし、神とやらの言い方からすると、一度刈り取られた魂は何らかの行程を終えてから、再び人間に宿しているのだろう。 「まあ、ざっくりと言うとそう言うことだ」 「じゃあ、さっきから神……様が言っているオレが『特別な魂』ってどういうこと?」 「ああ、それはな───」 ざっくりとまとめると、オレは地球に変革をもたらすために新しく創られた魂が宿っている──らしい。 そんなオレが、通り魔に刺されてしまったので、慌てて死神が魂の回収を行った。 しかし、魂はまだ成熟しきっておらず、地球に変革ももたらしていない。 おまけにもう一度、魂を洗濯してもしなくても地球に戻すことは出来ない特別な魂で、成熟していたらこのままこの空間での実体を与えることも出来たのだが、それも出来ない。 ならば地球での記憶を残したまま、新しい世界でゲームでいうところの、リスタートをしようということに決まったらしい。 「うん、わかったよ。とりあえずオレは死んで、転生することが神様の中で決定したんだね」 「まあ、そうだな。と、いうことで君にはこの空間で治療を受けたあと、異世界に飛んで貰うからな」
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