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君が好きで
クラスはいつも騒がしく、活気に満ちていた。
そんな中、君は、自分の席で静かに本を読んでいる。
地味で目立たないのになぜか君を見てしまう。
君を見るようになったのは、あの日。
放課後、具合が悪くて自分の席で寝ていた私に
「大丈夫?これ飲む?」
そう言って飲み物を差し出してくれた。
男子に優しくされたことがあまりない私には、衝撃的な出来事で、
その日以来、彼から目が離せなくなっていた。
でも彼が私に優しくしてくれ理由は、後から気付いた。
ずっと見ていると気付いてしまうのだ。
彼の視線がどこを見ているか。
彼は私の方をよく見てくるけど、私と目は合わない。彼が見ているのは、私の隣にいつもいる親友の紗季だった。
そう彼は私の親友が好きなのだ。
それを知っても諦められなくて、
君をもっと知りたくて、
たくさん話しかけたけど、彼は私を見てくれない。
彼が見ているのは紗季だ。
もし、私が気持ちを口にしたらどうなるのだろうか。
私より紗季に好かれたかったと思うだろう。
どんなに彼が紗季のことを好きでも、私の気持ちはなくならない。
大きくなっていくばかりだ。
ねぇ君に伝えたい
君が好きで、好きで仕方がないんだ。
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