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紺は、気付いたら真っ白な世界に居た。
ここはどこでしょう。夢の中でしょうか?ですが私はトラックに轢かれたはず……まさか、“あの世”だったりしますか?
紺が首を捻りながら考えていると、背後から「あの~」と、控えめな声が聞こえてくる。
どうやら私が色々考えている間に声を掛けられていた様ですね。
コン「すいません。少々考え事をしていたもので……声を掛けられていたのに返事もせず、申し訳御座いません」
「えっ!?あっいえ、全然大丈夫です!!」
紺が声のした方へ振り向くと、そこには神々しい見た目をした男がいた。顔立ちは非常に整っており、髪はまるで金糸のように光を反射し、瞳には夜空に浮かぶ星全てを凝縮したかのような光を宿している。服はギリシャ神話の神々のように布を巻いただけで、隙間からのぞく身体は均整がとれていて彫刻のようだ。
紺は思わず魅入ってしまった。だが、はたと気付く。男はその輝かんばかりの瞳に怯えを映していた。
コン「ところで、何の用で私に声を掛けられたんでしょうか?」
紺は相手を怖がらせないように、努めて優しく話しかけた。
「うぅ……ご、ご」
コン「ご?」
「ごめんなざぁぁああい」
コン「っ!?」
男は、謝りながら紺の腕の中に飛び込んできた。
かなりの勢いで突っ込んできたが、紺は日頃から身体を鍛えていたため、簡単に受け止めることができた。
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