お仕置き??編After

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はっと、息を飲むような声が聞こえてきたかと思うと 突然視界が開けて透の顔が飛び込んできた。 「透……」 「俺の顔が見えないのが一番怖いの?」 透は切なげな表情で俺の頬に流れた涙を拭った。 その暖かで心地よい体温にそっと頬を擦り付ける。 「俺は……怖くて、苦しいことも全部、相手が透だから受け入れられるんだよ……」 「葵ちゃん……」 「透は俺だけ? 俺が相手だからこういうことするの……?」 「そうだよ。俺も葵ちゃんだけ。俺の手で焦らされて 泣いてるところを見ると堪らなく興奮する。他の誰にしたって同じように思わないよ」 透は俺の体を包み込むように抱きしめると、プラグをゆっくり引き抜いた。 「あっ……」 その瞬間、俺は達してしまい、脱力して息を整える。 息遣いをする俺の唇に透はそっとキスする。 「これが俺の愛し方だから全部受け入れて……俺から逃げないで」 そういった透は、俺よりもずっと年上なのに まるで見捨てられることを不安に感じた子どものように見えた。 「俺のこと……本気で好き?」 「うん。好きだよ。愛してる」 すぐに返ってきた答えが嬉しくて、安堵する。 透も安心したように微笑むと、拘束具を外して撤収し始めた。 「はーあ、葵ちゃんが可愛いこと言うから、お仕置きとか嫉妬とか、 全部どうでも良くなっちゃった。もっと焦らして虐めるはずだったのになぁー」 透は残念そうに言う。こいつのこういうところは割りとヘタレだと思う。 「今まで付き合ってたやつにもこういうことしてたのか?」 「してる……ない」 「どっちだよ!」 「してると言えばしてたけど、もっとソフトな感じかな。 葵ちゃんにはもっとしたいって思うし、怯えさせてぐずぐずに泣かせて あわよくば鎖で繋いで一日中閉じ込めて犯したい」 (うわ、こいつ、ついに監禁欲望まで出しやがった……!) 呆れていると、透は先程まで俺に付けていた手枷に視線を映す。 「葵ちゃんは、あんなもの付けなくても、俺から逃げないよね」 「に、逃げねぇけど……こう、身動きが出来ない状態にさせると支配してるような感じがして興奮するんだろ?」 何の気なしに言うと、それを聞いた透は絶句する。 今の発言は墓穴を掘ったと後悔していると、透はニヤニヤしながら俺を見てくる。
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