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隠し事 No.2
「もう少しなんだけどなあ」
部屋の本棚を見つめて小さく呟いた。亮様は数分前から一番高い本棚の上にある本が欲しいみたいだけど届かなくて困っいた。こんな時私が力になれたらいいのに。見ていることしかできない自分に嫌気が差す。
「よし!」
亮様が意気込みの声をあげた。そうすると亮様は椅子の上にさらに椅子を重ねる。ま、まさか、この上に乗る気!?
「よいしょ」
亮様は今にも崩れそうな椅子の上に立つ。私は下から亮様を見上げる。いくら運動神経がいいからって・・・
「よしゃ!とれたあぁぁああああ」
!?亮様!本を取った瞬間、椅子がバランスを崩して亮様が床に落ちた。
「いってぇー」
よ、よかった。生きてる。私は亮様に近寄りケガをしていないか見に行く。
「でも本が取れてよかった!」
頭に手を当てながら体を起こす。大したケガじゃなかったのかな・・・?
「ケガは大丈夫ですか?」
亮様に近づいて届かない心配の声をかける。
「大丈夫!でも、ちょっとあた・・・、え・・・?」
・・・。反応・・・した・・・?なんで?私の声は聞こえるはずないのに。なのになんで・・・。
「え・・・なんで俺の部屋にいるの?いつ、どうやって入ったの?」
声どころか姿も見えてる!不安な目で私を見ている。どうしよう・・・!完全に怪しまれてる!
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