第一章 突然の緊急事態

1/5
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ

第一章 突然の緊急事態

体が異常なほど重い、頭・体・足、全てが「彼女」自身の意思を聞かず、動かないまま、瞼を開くだけでも一苦労する、しかし僅かに開いた瞼の間から見た景色はだいぶぼやけていた。 だが色はなんとなくだが判別できた「彼女」の瞳、大半が白だが、所々にピンク色のナニカがある、だが瞼を開ける労力だけでもすっかり疲れてしまった「彼女」は、再び瞼を閉じる。 次に動かせたのは、利き手である左手、しかし指先しか動かす事ができない、その指先で注意深く触れた感触は、とても柔らかく、暖かい。 そして指先を必死になって動かしていると、だんだんと手の感覚がどんどん広がり、瞼もだいぶ開けられる様になった「彼女」は、もう一度瞼を開けて見る事に。 先ほどとは違い輪郭をはっきりと認識できる「彼女」の瞳が写したモノ、それは真っ白な天井だった、そして所々に見えたピンク色のナニカは、カーテンだった。 そして手首まで感覚が戻った「彼女」は、とある違和感に気づいた、手首がモゾモゾするのだ、指先で触れている感覚とは違った、硬く重い感覚。     
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!