いざ、カスガの岩へ!

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「よー、あじさい!」  そうカエル岩のキリギリスが挨拶をすると、アジサイのキリギリスは険しい顔のまま僕らを眺めた。よく聞いてみれば音色も普段より暗い感じがする。 「どうしたアジサイ。何か深刻なことでもあったのか?」  きんもくせいのキリギリスが尋ねると、アジサイのキリギリスはにこりともせずに答えた。 「湖のキリギリスが亡くなっていたらしい」  演奏はぴたりと止んだ。
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