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第2話 紅い閃光
ここはどこなのだろう――なんでこんなくらい所に俺は立ってるんだ。
「――力が欲しいか?」
「チカラ?あぁ力が欲しい、欲しいよ!みんなを守れるような力が!」
「よかろう、そなたが欲するならばこの力をお主に授けよう。その代わりに契約によりお主の命を少しばかり削らせてもらう――それでもよいか?」
「あぁ、俺はどうなったって構わない!この世界に来たのは自分だ――守れる力を俺にっ!」
「その覚悟良かろう。ならば契約成立だ!」
「……カナデ……カナデッ……」
「ほら、誰かが呼んでいる――早く行ってやれ」
カナデは突然起きた眩しい光に照らされて、徐々に意識が薄れ始めていく。
誰かが呼ぶ声·····その声に呼び覚まされる感覚と共に、カナデは静かに倒れた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
その頃、村長と村の生き残りは被害は酷いが辛うじて避難できると踏んで村の近くにある使われなくなった教会に避難していた。
この教会に200人程度が入れる大きさだったのが不幸中の幸い――そんな場所でカナデは教会の椅子に横たわって気絶していた。
「村長、カナデは大丈夫でしょうか?」
「ここで安静にしていれば大丈夫じゃ、嫌な予感はするがな」
「……っ……眩しい」
「カナデ!」
その瞬間ユリは泣きながらカナデを勢いよく抱きしめた。
「そんなに泣かなくても、それに少し痛いかな」
「あ、ごめんなさい。でも良かった、生きていてくれて!」
――元の世界で生きていた時は誰にも心配されなかった。学校で不登校だといじめられても、どれだけ周りに助けを求めても。なのにっ……
「ごめんなユリ。俺、絶対強くなるから」
今回の被害は村の大半が燃えてほぼ全壊した。死亡人数は敵も含めてざっと100程度であろうか。
――俺に力があればこの村は助かっただろうか。泣き崩れる人、血に染った腕、焼けた肌。俺は……俺は·····
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