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「ピヨ、ピヨ、ピヨ」
「え? 誰!」
私はその声を辿り、歩き始めた。草をかき分けて、その声の主を探した。
すると、声の主が現れた。
「ピヨ、ピヨ、ピヨ」
「あの―何してるんですか?」
声の主は、私を見て驚いていた。
「え? 誰?」
こっちが誰だよ!
「あの―、なにか探しているんですか? 声が聞こえたので…」
声の主は目から涙を浮かべて私に言った。
「そう、ピヨちゃんがいなくなったんだ。俺の大事なネコちゃんが」
人間じゃなくてネコかいと言いたくなった。
「あ、そうでしたか。どこにいるんでしょうね?」
「あなたも探してくれる? 俺のために」
私の手を掴み、声の主は輝いた目で私を見たので断ることも出来なかった。
「…あ、はい」
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