何を探しているんですか。

3/31
前へ
/175ページ
次へ
空が変わりなく動いていて、周囲の人は私以外悩みのない人に、あの頃は見えていた。   でも、あの人はもっと悩みのない人に見えた。 外見と内面は違うことに就活生の私は見えていなかった。 「はあ―、もう嫌!」 「どうした? 陽琉(はる)」 私達は、山岡大学文学部四年生の就活生である。 私に心配そうに声を掛けてきたのが、大学の友達夏帆(かほ)。 つまらない長い講義を終えて、休憩室で話をしていた。  夏帆は、しっかり者で大学一年生から交際中の彼氏とは上手くいっていて、大手企業の会社に就職出来たらしい。 だが、私はあらゆる会社を受けても受からない。 何故なのだ、この差はなんなのだ。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加