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 風の強い日だった。女は近所のスーパーに買い物に行こうと、家の近所の道を歩いていた。すると、頭上から1枚、布きれのようなものが舞い落ちてきた。  多分、どこかの洗濯物だろう。落とし主が見つけやすい場所に置いてあげようと、女は拾い上げた。  ズボンかタイツか。遠目にはそう見えていた。しかし、よくよく観察すると、それはおかしなものだった。ズボンで言うところの股下、足を通すべき部分が3つあったのだ。 「新しいファッションかしら…」  とりあえず、目立つ場所に置いて帰ろう。そう考えた女は、近くの街路樹の枝に洗濯物を掛けておくことにした。
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