Silentkiller(番外編)
全2/3エピソード・完結
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Silentkiller(番外編)

私はあの日を忘れない── 「咲ちゃん」 「ん…あっ」 奥深くを抉るように突き刺さる熱はいつも私に甘い快楽を与えるものではなく 「はぁ…咲ちゃん…んっ」 「あっ…ひゃぁ…イ、イッちゃう──」 あの日を決して忘れるのではないという苦い痺れをもたらす熱だった。 「はぁ…はぁ、はぁはぁ…」 「……智広くん」 「ん?」 「…ごめんね」 「何が」 「……赤ちゃん…折角授かったのに…」 「また其れ?いつもこういう時に云わなくていいんだよ」 「あ」 私の中からズルッと抜き出されたモノは淡い雫を滴らせていた。 「仕方がないよ。咲ちゃんいい歳だからさ、高齢で出産までこぎつけるのって大変なんだろう?」 「…いい歳って」 (天使のような笑顔で酷い事を平気で云うね) 「また作ればいいよ──僕は毎晩でも頑張れるからね」 「……うん」 「先にシャワー浴びてくる。咲ちゃんはいつものようにお尻を高く上げているんだよ」 「…解った」 受胎しやすいように行為が終わった後、数十分お尻の下にクッションを置いて高く腰を上げる。 (これ…本当に効くのかな) 40を過ぎた私はつい半年前、智広との間に出来た子どもを流産していた。 胎児の心音が確認出来なくなった時には既に私の子宮の中で死んでいた。 高齢妊娠では想定される死産だと云われても、中々納得出来ずに散々泣き明かした。 其の時私は (これは罰なのかも知れない) と思った。
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