黒と白の関係 中編

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「白っ今さらジタバタすんなっ。往生際が悪いぞ。」 振り向いた女子部員達から一斉に黄色い悲鳴が上がった。 黒が王子様の服を身につけて現れたからだ。 さすが黒……思ってた以上に着こなしている。 どこからどう見ても物語に出てくるような美形の王子様だ。 どことなく気品までただよっている。 黒が俺の前まで来てうやうやしく頭を下げ、片手を差し出してきた。 「姫、次はあなたの番ですよ。」 また女子部員達の悲鳴が上がる。 すっかり役になりきってやがる…ちょっとドキッとしちまったじゃねぇか…… これはもう…覚悟を決めるしかなさそうだ。 「黒君、通し稽古の前に王子様のシーンだけ確認しときたいから今すぐ体育館まで来てくれる?」 監督が部室のドアを開けて入ってきた。 「俺もう王子のセリフは完璧だけど?」 「立ち位置わかってないでしょ?サボりまくってたから。」 「でも今から白が……」 「いいからっ!時間ないからすぐ来るっ!」 黒は王子様の服を脱がされ、監督に体育館へと連れてかれてしまった。 俺の方を見ながらずっと文句をぶうたれていた。 どんだけ女装姿が見たかったんだあいつは…… 「黒君て怖いイメージあったけど、なんだか違うね。」 咲希ちゃんが俺にドレスを着せながらクスクスと笑っている。 「黒は誤解されやすいんだよ。本当はすごく良い奴なんだよ。」      
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