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小学生の頃は黒白コンビと言われて女の子からかなりモテていた。
同じ学年の女の子が全員、俺達にバレンタインのチョコをくれたほどだ。
中学生の頃、俺は背が伸びず顔も幼いままで、いつしかカッコイイからカワイイと言われるようになっていた。
対して黒はぐんと成長し、立派なイケメンへと変貌を遂げた。
黒は女にモテまくり……
白は男にモテまくり……
なんなんだこの差はっ?!
俺だって女にモテたいっ彼女が欲しいっ!
「白君どしたの?また黒君とケンカでもしたの?」
教室の机で突っ伏してイライラしていたら、隣の席の咲希ちゃんが話しかけてきた。
「もう、サラリーマンだし男だわっだしお気にの女の子とベタベタだしでムッカーなんだわ。」
「……よくわかんないけど、相変わらずなんだね。」
咲希ちゃんが控えめにフフっと笑った。
穏やかなその笑顔に、俺の気持ちがちょっとだけ和んだ。
にしても黒のやつ……
俺は自分の後ろにあるポッカリと空いたままの黒の席を見つめた。
俺と一緒の電車で来たのに一限目サボりやがって…あの子とイチャイチャしてるに違いない。
羨ましい…いや、黒なんか羨ましくねぇっ!
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