きみは思い出

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 大学時代の友達から、結婚式の招待状が届いた。二十代も半ばをすぎると、結婚する友人たちがどんどんでてくる。招待状をもらうのは初めてではなかった。  結婚式によばれるのは、わりと好きだった。ふだんなかなかすることのない、お金のかかったおしゃれができる。過去の友人達と再会できるのも嬉しかった。  念入りに化粧をし、美容室で髪型をセットする。ミントグリーンのカクテルドレスを着て、半透明のショールを羽織ると、私は結婚式場にむかった。  式場について、大学時代の友人たちと再会する。結婚している人、いない人。分け隔てなく思い出話に花を咲かせる。  その時だった。視界の端に、見覚えのある人物がうつった。  「あれ・・・ミサちゃん!?」  私が声を上げると、その人物はこちらを見、驚いた顔をした。  「カナちゃん!」  ミサちゃんは、私の中学校時代の親友だった。私の中学時代は常にミサちゃんと共にあった。しかし高校が別々になってから、お互い長い間疎遠になっていた。    「わあ、久しぶり、どうしてた?」  「そっちこそ」  何でもミサちゃんは、花嫁の親戚だったようで、今回の式によばれたそうだ。  「あ、そろそろ式始まるよ」  「うん、じゃあまた後で」    久々の再会で私の胸はおどっていた。だってミサちゃんは、私の今までの人生の中で、一番の親友といえる存在だったから。  
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