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私の親戚の家のトイレの話だ。横に入るためのドアがあり、前には両開きのドアがある。ドアの隙は1センチにも満たない。その向こうには、家の水関係の機械がある。トイレに入り、用を足すために便器に座り前を向くとその隙間が目の前にあるのだ。
その隙間の向こうに何があるのか分かっているのに、何かがいるのでは…という考えに陥ってしまう。隙間からは時々、トイレの照明に反射してキラッと光るものが見える。頭がおかしいと思われるかもしれないが、私はそれがカメラのレンズのようなものに思えて仕方がなかった。
ある日、私はその親戚の家のトイレに入り、用を足そうとした。いつものように隙間が目の前にある。
自分を納得させるため私は意を決して、ドアの片方を開ける。「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせる。ギィィ…と少し鈍い音がした。私は中を恐る恐る覗いた。
中には、水関係の機械あるだけだった。隙間からキラッと反射していたものは…
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