一番欲しい言葉

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「本当だよ。弘樹以外はみんな知っているのに!」 「え?本当?」 「うん。大志や弥生なんて賭けをしていたくらいだよ」 「賭け?」 「そう、私と佳奈のどちらと付き合うか?」 「それで?」 「二人とも、佳奈に賭けたわよ」 「由紀乃に賭けたのは?」 「私だけ」 「それじゃ、由紀乃の一人勝ちだね」 「・・・。ねぇ弘樹。私でいいの?」 「由紀乃じゃなきゃダメ」 「私、馬鹿だよ」 「大丈夫。僕が勉強教える」 「私、わがままだよ」 「知っている。でも、僕にだけわがままなのだよね」 「私、嫉妬深いよ」 「知っている。だから、僕は由紀乃を悲しませたくない」 「本当?」 「うん。本当だよ」  何故かわからないけど、笑いだしてしまった。 「あっそうだ。弘樹、商業、合格おめでとう!」  僕が一番聞きたかった、”おめでとう”がやっと聞けた!  大志と弥生からは思いっきり責められた。賭けに負けた事ではなく、気がつくのが遅すぎると言われた。由紀乃がどれだけ待ったのか、しっかり考えろと言われた。  でも、大志と弥生療法から、言われた”おめでとう”は合格への言葉じゃない事はすぐにわかった。  照れくさかったが、なぜだかすごく暖かくて、嬉しくなってしまった。  由紀乃も同じ様な気持ちになってくれていたら、嬉しいな
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