2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
一番欲しい言葉
「弘樹!」
同級生で、幼馴染の由紀乃だ。
「なに?」
「卒業前に、みんなでボーリングに行くけどどうする?」
「みんな?」
「そう、大志や弥生も一緒だよ」
うーん。ボーリングは魅力的だけど、僕は高校受験が残っている。
「ごめん。行きたいけど、受験がまだ有るからね」
「え?弘樹は、私立に受かっているよね?」
「うん。滑り止めだからね。本命は、商業だよ」
「そうだったの?」
「うん」
大志や弥生と家に来て、兄さんたちと受験の話をしていた。
「でも、私立なら、私と一緒に行けるよ?」
由紀乃の言葉が、少しだけイラッとした。
「はぁ?僕は、商業に入って、情報処理の勉強をしたいの?由紀乃と一緒に行くよりも、僕のやりたい事がある!」
「ごめん」
え?なんで、そこで謝るの?
僕が悪いの?
「弘樹。ごめん。もう誘わないね」
「受験が終わるまでは無理」
「うん。商業だと、佳奈と一緒だよね?」
「へぇ。そうなの?」
「う・・・ん。ううん。なんでもない。ごめん。変な事を言ったよね。忘れて。それじゃ受験頑張ってね」
「うん。ありがとう」
何がなんだかわからない。
最初のコメントを投稿しよう!