一番欲しい言葉

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一番欲しい言葉

弘樹(ひろき)!」  同級生で、幼馴染の由紀乃(ゆきの)だ。 「なに?」 「卒業前に、みんなでボーリングに行くけどどうする?」 「みんな?」 「そう、大志(たいし)弥生(やよい)も一緒だよ」  うーん。ボーリングは魅力的だけど、僕は高校受験が残っている。 「ごめん。行きたいけど、受験がまだ有るからね」 「え?弘樹は、私立に受かっているよね?」 「うん。滑り止めだからね。本命は、商業だよ」 「そうだったの?」 「うん」  大志や弥生と家に来て、兄さんたちと受験の話をしていた。 「でも、私立なら、私と一緒に行けるよ?」  由紀乃の言葉が、少しだけイラッとした。 「はぁ?僕は、商業に入って、情報処理の勉強をしたいの?由紀乃と一緒に行くよりも、僕のやりたい事がある!」 「ごめん」  え?なんで、そこで謝るの?  僕が悪いの? 「弘樹。ごめん。もう誘わないね」 「受験が終わるまでは無理」 「うん。商業だと、佳奈(かな)と一緒だよね?」 「へぇ。そうなの?」 「う・・・ん。ううん。なんでもない。ごめん。変な事を言ったよね。忘れて。それじゃ受験頑張ってね」 「うん。ありがとう」  何がなんだかわからない。     
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