それぞれの長所

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副会長のせいで真っ白な原稿用紙を手に取った。 「これは帰ってするしか無いですね……」 「なんかごめん」 「かまいません、では帰りましょう。」 「え? 一緒に帰るの?」 「何を言っているのですか。私の家と副会長の家は逆方向でしょう?」 「デスヨネー」 副会長は肩を落として笑った。本当に伝えたかった気持ちは会長に全然伝わっていなかった。 「でも、昇降口までならいいですよ。」 「……お、サンキュ」 副会長は、もう一度聞いてみることにした。念の為、念の為。 「うたちゃんは、俺のことカッコイイと、思ってるんだよね?」 「はい。」 「俺のこと……その……好きだったり……」 「好きですよ。」 即答、だった。 いつもと変わらない淡々とした返事だった。 「そっか。」 これはまだまだ付きまとう必要があるな。 「好きですよ。」 平然を装った。
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