二重奏(デュオ)の秘密

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「・・・・次は、圭介さんです」 老人は、ゆっくりと話始めた。 圭介の体は小刻みに震え出す。 「・・・・ご自身で話せる状態ではありませんね」 老人が圭介を見て、言った。 「圭介は・・・・圭介はどんな過去を?」 老人は、軽く深呼吸をする。 「これから話す事は、恵美さんの決断次第となります。あなたが圭介さんと結婚して、幸せな家庭を築ける未来の可能性は充分にあります。あなたが、彼をどう受け止め、どんな答えを出すか・・・・」 隣に座る圭介を見る。 彼の顔は、引きつっていた。 呼吸は激しくなり、暗がりでもわかる程の汗を額にかいている。 ねぇ、圭介? どうして、そんな顔をしているの? あなたの過去に何があったの? でも、あなたの過去に何があろうと私は受け止めるわ。 例え、どんな真実だったとしても・・・・ いくら隠そうとしても、過去に自身に降りかかった出来事や不幸って、何かのきっかけで発覚するわ。 それは、生きている限りずっと消えない。 でも大事な事は、それを理由にして下を向いたまま生きていかない事だと思うの。 苦しい事や辛い事。 これから長い人生、まだまだ沢山あると思うわ。 その分、楽しい事や嬉しい事だってきっと沢山ある。 そんな人生をこれから先、あなたの隣に私がいて、一緒に過ごして生きたいの。 だから・・・・ 「・・・・話してください」 私は、老人に向かって言った。 すると、老人はゆっくりと口を開けた。 「圭介さん・・・・あなたは、25年前・・・・」 「・・・・やっ・・やめ・・ろ」 圭介は頭を抱える。 「圭介さん・・・・あなたは、25年前・・・・」 「うわぁぁぁぁ、止めてくれーーー」 「圭介!!!落ち着いて!!!」 隣に座る圭介を抱き締めた。 「・・・大丈夫だから、圭介。何を聞いてもあなたを裏切らないわ。だから・・・ねぇ?」 「・・・・恵美」 「・・・・お願いします。話して下さい」 改めて、老人に向かって言った。 大丈夫。 過去に圭介に何があったとしても、受け入れる覚悟を持ってここに来たの。 「圭介さん。あなたは、25年前。あなたが17歳の時です・・・・」 私は固唾を飲んだ・・・・
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