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殿下の影響かな、と2人は苦笑した
今日は公務で来られないということだが、婚約してからというものエルグランドは3日に一回のペースでセレスティナの元に訪れている
毎回王族に対する正式な出迎えをしていたら、使用人達は仕事にならない
神童はそんなこともしっかり分かっているようで、仰々しい出迎えは不要、最低限の対応で構わないと通達されている
「婚約されてから、お嬢様は大人っぽくなられましたね」
喜ばしくも、少し寂しいマリーナだった
「2人きりの時は今まで通り甘えるわよ?
私、マリーナの膝枕大好きだもの」
マリーナのそんな複雑な心境を的確に捉えた…のかは定かではないが、彼女はそう言われて嬉しそうだった
「殿下曰く、公私の切り替えが大事なのですわ!
気を許せる人、場所、空間が無ければ人間は壊れてしまいますわ!」
そう考えるとこの国の王子は我が家を公私の私の方に入れてくれているのだな、と2人は思った
チェリー家に訪れたエルグランドはいつもにこやかで、マリーナとも気さくに会話したりしているからだ。最初は畏れ多かったが、現在は皆慣れてしまっている
そんなことを話していると、易者がガスコーニュ公爵家への到着を知らせる。薔薇が見事な中庭にはテーブルセットがいくつも並べられて様々なお菓子が用意されており、親同士子供同士で談笑していて和やかな雰囲気だった
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