お茶会

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此処、広大なエスカバル王国には10の公爵家・20の侯爵家・32の伯爵家・47の子爵家・126の男爵家が存在する その中でガスコーニュ公爵家というのは、あらゆる貴族のなかで最も左派というのか、民主的というのか…とにかく、身分制度自体は否定しないものの、その在り方にはあまり肯定的でない家 (エル様の仰った通りだわ…同じ公爵家なのに私達の住んでる屋敷より建物も敷地もだいぶこじんまりとしてる…) 娘のお茶会デビューをここにしたのはレジアナーナの決定だ 公爵は「いきなり敵地になど!まずはうちの親戚筋あたりがよかろう!」と猛反対したが、敵地とはなんですか!!滅多なことを言うものではありません!!と怒られて黙った お互いに地位が高いので表立って対立こそしていないものの、チェリー公爵家とガスコーニュ公爵家はあまり仲が良いとは言えない…むしろ悪い 革新左派なところがあるガスコーニュに比べてチェリーは権威主義の傾向が強い また身分が低い者でも身内にはかなり甘く、その代わり裏切りには厳しい。そんなことから小さな国と揶揄されたりもしている 地球の組織で似た性質といえばマフィアが一番近いと言える 事実チェリー公爵家のメイドや使用人、庭師などは他の公爵家と比べても破格の条件で働いているし、国王閣下や国そのものより公爵や奥方など当主家族への忠誠心のほうが遥かに高い傾向にあるのだ
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