お茶会

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私の視線に気付いて流石にまずいと思ったのか慌ててあまり綺麗ではない淑女の礼をする彼女にため息が出る 「も、申し訳ありません サリーナ・ミツイールです!」 「まあ! セレスティナ・ヘレナ・チェリーですわ サリーナ様のご両親の商才は素晴らしいものですわね。お噂はかねがねお聞きしておりますわよ」 まさかあっさり許され、しかも両親を誉められるとは思っていなかったらしくサリーナは顔を赤くしてあぅあぅしている 愛嬌のあるおさげとそばかす、茶髪に茶色の瞳の彼女は貴族令嬢というよりは商家のお嬢様だ 財力なら下手な子爵家、伯爵家より上だが両親の代で賜った爵位のため貴族のマナーなどには疎い 我が家や我が家の親戚筋には自分達とは違う溌溂としたキャラクターで愛されているが、セレナ様達からは多少白眼視されている 「セレスティナ様は寛容過ぎます…」 「毅然とした態度も時には必要ですわ?」 うーん、サリーナを庇ってあげたいけどセレナ様達の言っていることが正しいからなんとも言えないのよね。当人のセレスティナ様が全く気にされていないので強くは言ってこないけど…
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