12歳

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セレスティナのお茶会デビューから2年が経った 「あまり陰口のようなことは言いたくないのですけれど、一昨日のお茶会は疲れましたわ」 自宅の中庭で自身が開いたごく小規模なお茶会、テーブルについているのはすっかり親友といえる間柄になったセレナ、フレイヤ、サルビア、サリーナ 思い出すのも嫌なのか、げっそりした顔で紅茶を飲むセレスティナ。そんな彼女の背後に控えるマリーナは微笑んでいる 「一昨日というと、サギール伯爵家の…」 ああ、と察したフレイヤ、「あぁ、あの…」とセレナも苦笑している サギール伯爵家は社交界では有名な権力馬鹿 上の者には媚びへつらい、下の者はゴミのように扱う典型的な馬鹿貴族 「わたくしが到着したら、使用人の皆さんがズラーッと地面に伏せていますのよ? 一瞬、あれ?わたくしは公爵令嬢ではなく魔王だったっけ?などと馬鹿なことを本気で考えてしまいましたわ 不快でしたので抗議してすぐにやめて頂きましたけど…」 セレスティナの口から飛び出した話が予想の斜め上を突き抜けていたので友人達は皆、貴族令嬢としてアウトな表情で固まってしまった 「ひえぇ…お父様の重要な商談に随伴するという理由で丁重にお断りしてよかったです…」 サリーナはサルビアのアドバイスで出席していなかったのだが、恐らく呼びつけた上で乏しめて吊るし上げるために招待されたのだろうと嫌でも分かった
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