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さて、人の噂などあてにならないのかもというのはどういうことかと言えば…
本日のお嬢様の登城は旦那様の取り計らいによるものであり、同年代の身分の近い者の顔合わせ…という名目の旦那様の娘アピールなのだ
アピールの相手はエルグランド・ファンブルケ・エスカバル殿下
この国の王位継承権第1位であらせられる王太子殿下であり、お嬢様と同じ10歳
語学・歴史・詩・音楽・剣術・馬術・弓に槍に両手剣…果ては刺繍やお菓子作りなど令嬢っぽいことまでこなしてしまう超人であり、神童と実しやかに噂されているお方…らしい。
特に魔法の才覚は未だかつてこの国、この世界でも類を見ないと言われている
いつも大人びていて、既に言い寄って来ている数多のご令嬢をスマートにかわしていらっしゃるとのことだった
はて?
お嬢様はそんな殿下に一目ですっかり恋に落ちてしまったらしく、先程からベタベタとはしたなくまとわりついている
王族に対して不敬なのだが殿下は全くお嬢様を咎めずに、愛おしそうに頭を撫でたり手を握ったりされていて…
月並みに言ってデレッデレなのだ
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