12歳

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セレスティナの手を握ったエルグランドはそのまま話を続けた セレスティナは説明してくれるんだと、あるいはちゃんと自分の気持ちを考えてくれたんだと分かった時点でまた可愛らしい少女に戻っているので、エルグランドはあくまで公爵に説明する体裁で話し続ける 「騎士団に見習いとして出入りしている、学園の騎士科行きが決まっている子にとてもいい人材が居ましてね ワルキューレ子爵家のソフィーティア嬢です 基本的に人柄と能力での採用ですが女性であることにも意味があります」 「ふぇ?エル様?」 ここでエルグランドは最愛の婚約者に向き直った 「ぶっちゃけ、俺に護衛なんて必要ないんだよ。俺とセラフィムだけでも完全に過剰戦力だからね」 これには確かにと頷くしか出来ない親子だった 「だから近衛騎士の実質的な任務はティナの護衛になるから女性の方がいいんだよ ライオネルは頭の中まで筋肉でレディの扱いなんか1ミリも分からない。剣の腕前は多少見所はあるけどね 仮に男の扱いを心得た娼婦みたいなのに誑かされて洗脳されたら、ティナに敵意を持つかもしれない。そんなのを至近距離に置いとくのは愚策以外の何者でもないからね」 実際、婚約破棄(断罪イベント)の時に最愛の婚約者を後ろから乱暴に羽交締めにする役どころなのだ。出来るなら今すぐ殺したいぐらいなのだ
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