14歳

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~王子様の憂鬱~ 「失礼します!!」 午前。 エルグランドは城の自室で執務をひと段落させ、セラフィムにレッドアイを作ってもらって喉を潤したところだった 麦酵母とトマト、ホップとリコピンを身体に補充し気持ちよく喉を鳴らしているといきなり乱暴にドアが開かれた これで何度目か。入室を許すわけにはいかない騎士に槍の柄で作った×印で遮られつつも身を乗り出して喚く家柄と顔しか取り柄のない男 ギルバート・フォイ・マルフォーイ ティナの次に大切な女の子、アリシアの専属護衛騎士になり、さらには彼女を手にかけるはずだった男が配置を戻せと喚き散らす 王太子の執務室なので広く豪華であり、ギルバートとはまだ10メートル程の距離があるが唾がここまで飛んで来そうだとエルグランドは思った 「貴様、ここが何処だか分かっているのか?」 王子モードで睨みつけ、低い声を出す 「ふざけるな!! 神童だかなんだか知らないがこの女好きがっ!!」 前しか見ていないギルバートは、既に背後を駆けつけた応援の騎士が包囲していることに気が付いていない 「…貴様に近衛騎士の人事の変更の理由を話しても仕方ないが、一応説明してやる ソフィーティア嬢並びにアナスタシア嬢採用の理由は実力と人柄と実力、さらに人柄、あと実力だ」 騎士達は吹き出した
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