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ダンスを終え、セレスティナは婚約者にエスコートされて国王夫妻に挨拶に向かう
挨拶は身分の高い者からなので、来賓として招かれている他国の王族や大使などの挨拶が終わった今が彼らの番となる
謁見は済ませてあるので、セレスティナは膝は付かず優雅にカーテーシーをした
「息子を宜しく頼む…本当に宜しく」
「は、はい!そのようなお言葉をかけて頂き有難き幸せにございます」
さっきまでは威厳たっぷりだったのに、自分達が来てからは急にオドオドした印象を受ける国王にセレスティナは少なからず困惑して少し挙動不審になってしまう
「ふふ~エルみたいにうちの人を馬鹿にしたりしないであげてね~?」
転じて王妃というのは、だいたいどんな世界でも物語でも夫より大物なものだ
「そ、そのようなことは!」
ありがとう~とにこやかに返し、王妃は真面目くさった表情に切り替えた
「ティナちゃんも貴族令嬢にあるまじき戦闘力になったと報告を聞いて少し安心したのよぉ
多分エルはティナちゃんに何かあったら世界を滅ぼしてしまうもの」
うんうん、と頷く国王と宰相を見てセレスティナはえ?え?冗談では?と焦った
「父上達が大袈裟なだけだよ?
戦略級王子だの魔王だの好き勝手言ってくれちゃってまいるよ」
隣で婚約者はいつもと同じように微笑んでおり、彼女はほっとした
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