舞踏会

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「御機嫌よう、ティナ様」 「御機嫌よう、お綺麗ですわ」 「見惚れてしまいますわね!」 国王夫妻から離れた2人は、セレスティナの友人達に囲まれた 王太子の婚約者への溺愛は有名なので、多くの令嬢は遠巻きにキラキラした瞳で眺めるに留めている そのため、ありがちなご令嬢に囲まれて身動きが取れない状態に陥らなくて済むのはエルグランドとしてはかなり有り難かった ゆっくりと挨拶をして周り、サルビアやセレナ達と順番にダンスをして歓談に入る 尚、セレスティナとは5回踊ったエルだった 一旦仲間内で固まって座ってしまえば、今度は噂話タイムだ 「あ、あの殿下 婚約の件は本当に有難う御座いました!サリーナ様にも感謝しておりますわ!」 そう言って頭を下げたのはルシアーナ・ラ・サギール、権力思想の最右翼だった(・・・)ご令嬢 透き通るようなアメジストのストレートの髪にマゼンタの瞳、肢体は既に艶かしさを帯び美少女というよりは美女 彼女はセレスティナやエルグランドに諭され、数年前から両親共々考えを改めている 「どういたしまして。でも気にしないでね?ティナのご友人にはみんな幸せになって欲しいからね」
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