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「殿下!セレスティナ嬢も皆様もご機嫌麗しゅうございます」
「おお、チャーチルか。元気そうだな」
談笑していたセレスティナ達の席に挨拶に来たのは現宰相の息子であるチャーチル・ネラ・ヴァンガード、ヴァンガード侯爵家令息。
黒髪にメノウのような飴色の瞳。眉目秀麗で女性的な顔立ちだが様々な女性と浮名を流すチャラ男のため女性陣の評価は二分している
非公式ながらに既にそこら中に根を張っている組織、セレスティナ様をお慕いする会(会長セレナ・副会長サルビア・顧問エルグランド)からは白眼視されている
エルグランドとしては、チャラ男の癖に自分の王太子としての振る舞いにたまに生意気に意見してくるクソガキだ
…その奥底にあるのは、野心と満たされない思いがあるのは分かっているのだが現状セレスティナや友人達に実害は無いので生かされている
「時に殿下、私の幼馴染の親友が側近候補から外されたと聞いたんですが?」
さっきのセレナとフレイヤの悪口を聞きつけたのかどうかは定かでは無いが、またこの馬鹿は生意気な意見を始めるのか、とエルグランドは小さくため息を吐いた
「ああ、そうだな」
冷たく言い放つ。これは警告
暗に貴様が口を出す領分では無いと告げる
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