最終章◆初恋の結末

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あの事件の直後、先輩はゼミに復帰した私を、泣いて迎えてくれた。素直に嬉しくて、救われた気持ちになったことを覚えている。 “酷いこと言ってごめん。あれが最後になるんじゃないかって、いなくなってからずっと後悔してた” あのときそう言われて、知らなかっただけで、私のために泣いてくれる人がちゃんといるんだと思った。 「それでも加賀先輩、落ち込んでなかったね」 「前向きな人なんだよ。太陽みたいな、ね」 「……じゃあいいじゃん加賀先輩で。なにが不満だったの? 理由を言いなさい! 理由を!」 「うーん……忘れられない人がいるんだよね」 「誰!?」 「覚えてないの。でも、きっといつか会える気がして」 エミちゃんは煮え切らない顔をしたけれど、ただ笑顔を浮かべるだけの私を見て、フッと明るいため息をついた。 「なにそれ。よく分からないけど、その人と会えるといいね」 「うん」 「あ、職場近いんだし、就職しても私とも会ってね! 近況報告とか!」 「もちろん!」
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