緊急事態

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 ボートは波の上を、時々弾むように上下しながら進んでいく。岬を回り込んだ先に、灯台の明かりが見えてくると、芳人がボートを減速した。  身体が前に引っ張られる感覚に志貴が、両手を握り締めて爪をくいこませる。このままフルスピードで突っ込んでくれと叫びたい気分だった。
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