本が導いた。

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君に初めて会った日。 それは、とある春の日だった。 あのとき、君は電車に乗っていたんだ。 『ねーねー、今週の《ジャニーズふぁん!!》見た~?』 『あははっ、見たに決まってんじゃん』  『あたしたちと一緒にいるなら、見るのが当たり前じゃん?』 視線を送った先には、君がいた。 『……そ、うだね…』 その時には、同じ塾のあのこがいじめられているのかな、位にしか思わなかった。 『じゃあね~!』 『あたしたちの仲間じゃないから、そんなん言わなくて良いんだよ!』 『はっ!あんたと一緒にいなくてせいせいするわ!』 電車のドアが閉まった。 しかし君は、振り返りもせずそこに立っていた。
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