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全く爽やかでない『そいつ』が現れたのは、初夏の晴れ渡る爽やかな朝。
「いってきまーす」
ここは四国の田舎町。
公立高校2年のわたし、都倉彩姫は、いつも通りの朝寝坊で、ひとり慌てて自転車を漕いでいた。
小柄で童顔。
自慢じゃないけど目鼻立ちのはっきりしたそれなりの顔立ち。
背中まである手入れを欠かさないサラ艶の黒髪。
5キロ離れた高校まで20分掛かったけれど、今年テニス部のキャプテンに任命されたので、トレーニングも兼ねていた。
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