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――翌日。
朝イチの校門で、待ち構えたように擦り寄ってきた樹荏。
「なあちょっと来てくれへんか」
周りを気にしながら、部室よりの裏庭まで押しやられる。
「おはようございます」
じろりと睨むと冷たく言い放つわたし。
目の前で、パンと両手を合わせて拝む。
「頼む!!」
「嫌です」
「まだなんも言うてへんやんけ」
「どうせろくなこと言わないんだから。嫌です」
「次の日曜。1日いや、1時間でええ。付き合うてくれへんか?」
「嫌です。その日は先輩とデートです」
まだそんな約束はしてなかったけど。
「な?!そんなんほっとけよ!」
「練習試合も近いですし」
ならなおさらデートどころじゃないだろ。
「そんなこといわんと!なあ」
都合よく聞いてないし。
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