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勇者の石
幼稚園の頃。
私には、天敵がいた。
通称ゴリラ。
名前は忘れた。
ゴリラは毎日、私に対して何かしらの因縁をつけてくる。
私は、ゴリラが大嫌いだった。
そんな私をいつも助けてくれる男の子がいた。
彼の名前は、タケヒコ君。
近所に住む、小さな町工場の一人息子だ。
家が近くだったこともあり、私たちは毎日のように一緒に遊んだ。
タケヒコ君は、泥だんご作りの天才だった。
硬くてピカピカの泥だんご……。
私はタケヒコ君が教えてくれた通りに作ってみたが、全くうまくいかなかった。
どうしたら、あんなにピカピカの宝石みたいな泥だんごができるんだろう?
何度か挑戦してみたが、結局上手に作ることはできなかった。
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