二話目 「触れる幽霊」

6/6
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
   二人きりで会ったあの日、最後に彼が言った“ありがとう”は、人間扱いされてこなかった彼に優しく普通に接してくれた彼女への最後の感謝だったのだろうか。 だけどもう辛いことは何もない。 なぜなら本物の幽霊となった男は女にしか見えない存在として幸せに暮らしていけるのだから。 この先もずっと。女が死んだ後も、永遠に。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!