二話目 「触れる幽霊」

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 数日後、あの日出会ったメガネの男から女に連絡があった。 一つは幽霊の彼がどこかに消えたこと。 二つ目は、大柄な男が数日前に死んでいたこと、殺人だった。 あの日、初めて会って話をしたとはいえ、唐突な人の死はさすがに驚きと悲しみがあった。 それに、幽霊の彼がいなくなったとはどういうことだろうか。 死んで何年も三人に取り憑き、触れるほどの念でこの世にとどまっていたというのに……。 彼に連絡をしてみるが返信は無かった。もういなくなってしまったのだろうか。  それから一週間、またメガネの男から連絡はあった。 今日、坊主の男が死んだというのだ。しかも殺人で。 電話越しのメガネの男は、声だけでも明らかに動揺しているのがわかる。 落ち着かせようにもこちらの話が耳に入っていないようで、“次は俺だ次は俺だ次は俺だ”と言い続ける。 何しろ親友が二週続けて亡くなったのだ。女にも気持ちはわかった。 今はそっとしておこうと電話を切った。 だが、女の心にも何か引っかかることがあったが、このときはまだ、本人にもよくわからなかった。  一週間後、そろそろ落ち着いたかと思い、メガネの男に連絡するが通じない。 嫌な予感が脳裏によぎる。 聞いていた男の アパートの部屋へ急いで向かった。 ドアは鍵が開いていた。 そっと中に入ると、男は部屋の中央で天井から血まみれでぶら下がっていた。 女は警察に連絡した。
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