富士の遺産

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富士の遺産

 5人を乗せたリントヴルムは徐々にスピードを上げ、まるで風の様に雲を裂き進んでいく。  リントヴルムの背中から見える景色を眺めていると、ふと星があることに気が付く。地上にいた時には気が付かなかったが、地平線の先に大きな海が見えた。よく見ると、大陸全てが海で囲まれているようだ。  星はその疑問を尋ねる為、近くに座っているエリエに声を掛けた。 「あの……エリエさん」 「――ん? どうしたの星。お腹空いた?」 「いえ、ここって海に囲まれた国なんですか?」  星の質問にエリエは首を傾げる。 「さあ、どうだろうね~」  どうやら、エリエもその答えを知らないらしく、笑ってはぐらかされてしまった。  その時、エリエの横でその話を聞いていたサラザが、星の質問に答えるべく口を開いた。 「いい質問ね、星ちゃん。このサーバーは日本――ここは、この世界の地図上で見ると、日本と同じ場所なのよ~。だから、この世界は現実の世界地図と全く同じに大陸が分かれているってわけ」 「なるほどー」  その説明に星が相槌を打つと、サラザは更に言葉を続ける。
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