富士の遺産

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 そんな彼女にデイビッドが眉をひそめながら尋ねてきた。 「しかし、ここの難易度は通常ルートと比べてどうなんだ?」 「う~ん。そうだねぇ~。ここは通常より少し敵は手強いけど、それ以外はそうでもないかも、ボスも通常より少し強化されたくらい?」  エリエは少し考えてそう答えた。  その時、目の前からまるでキリンの首かと見紛うばかりの太さの大蛇が3匹現れた。 「早速お出ましねぇ~。私の全身の筋肉がピクピクしちゃうわぁ~」  大蛇を見たサラザが、興奮気味になぜか自慢の上腕二頭筋を盛り上げさせた。 「――来るわよ。皆、武器を構えて!」  エミルのその言葉に合わせて武器を構えた。星も見様見真似で自分の腰に装備していた剣を抜きその剣先を大蛇に向ける。  サラザはコマンドを素早く操作して、ボディービルダー専用装備のバーベルをアイテム内から取り出すと、それをぶんぶんと振り回しながら大蛇に向かって突進していく。 「うおらあああああああああああああッ!!」  サラザは雄叫びを上げると、手に握り締めたバーベルで3匹の大蛇まとめて薙ぎ払った。その攻撃に大蛇は反応する暇もなく、光りとなってキラキラと上がっていく。  サラザは「この程度とはね……オカマ、ナメんじゃないわよ!!」と叫ぶと、手に持っていたバーベルをズドンッ!と地面に突き立てた。  地面に突き立てたバーベルを持って佇むその姿はまさに仁王像の様だった。それを目の当たりにして、4人は目を丸くしてサラザを見ていた。
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